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会社案内やパンフレットのデータ納品

デザイン

会社案内やパンフレットの制作をさせていただく際に、稀に「デザインのマスターのデータを納品してほしい」ですとか、「印刷はなしでデザインのみ作成してデータ納品してほしい」というようなご相談をいただきます。

聞けば「次回の増刷は自社で行いたい」や「今後は修正があるかもしれないので自社で行いたい」という事です。

自社で行えば料金が掛からずに済むという判断なのでしょう。

ですが実際はマスターデータをもらっても自社で運用できないケースも非常に多いのも事実です。

DTPマスターデータの自社内での運用

デザインイメージ

まずデザインのマスターデータというのは印刷用に制作されたDTPデータの事を指します。

このDTPデータは基本的にAdobe社製のデザイン用アプリケーションソフトでもあるイラストレーター(Illustrator)とフォトショップ(Photoshop)等を使用して制作される事がほとんどで、ページ数が多いものですとたまにインデザイン(In Design)などで作られている事かと思います。

皆さんが納品して貰おうと思っているマスターデータは、この上記に挙げた専門的なアプリケーションで作られたDTPデータです。

イラストレータを扱える人材が社内にいるのか

仮に納品されたマスターデータをパソコン上で開いたり、ましてやデザインに変更を加えたりするには、社内のパソコンにデザインの専門家が使用するこれらのアプリケーションがインストールされていなければなりません。

現状Adobe社製のこれらのアプリケーションを使用するにはサブスクでの月額登録が必須となり、月額で6,000円近くの定額費用が掛かります。年間では70,000円以上です。

「デザインデータをちょっと修正したい」のレベルではとても割に合いませんね。

それに紙面のデザインにモリサワなどのラインセンス必須の特殊フォントなどを使用されていれば、それらのライセンス費用も発生しますし、画像の二次利用などの問題も発生します。

結構勘違いされている方も多いですが、ワードやパワーポイントなどで制作されているわけではないので、ある程度の専門的な知識とPC環境が必要になります。

仮に社内でイラストレーターがインストールされている環境があって、さらにそれらのアプリケーションを使えるスタッフがいる場合、根本的なお話ですがデザインを外注せずに社内で最初から作ってしまったほうがよいですよね。

印刷工場への入稿がちゃんと出来るのか

さらにデザインの修正を行った後に、印刷を進めるための入稿用データの作成、増刷の際の印刷会社とのやり取りなどもあります。

もし修正したデザインデータのミスや、印刷上のトラブルが生じた際の対応などを考えると、素人が行うにはなかなかハードルが高い作業かと思います。

印刷業界は基本的に完全データ入稿が当たり前で、データに関するアドバイスや修正などはして貰えません。

予算的なコストを考えて自社で運用しようとした挙句、時間コストも大幅に悪くなり、結果的に損をしているというオチになり兼ねませんし、印刷ミスで大きく無駄なコストを支払う羽目にもなりかねません。

デザインのマスターデータの買取

買取りイメージ

それでもどうしてもDTPマスターデータが欲しい場合、やはり一般的にはデザイン制作会社から買取る形になるかと思います。
これは著作権の譲渡も含めた形が一般的ではないでしょうか。

デザイン制作会社からすると、マスターデータをお渡しした時点でクライアントとの関係は終了のため、次回のご増刷もいただけません。

当然、今後の増刷による売り上げも見込めなくなるため、その増刷の利益の数回分の金額で譲渡しなければ割に合いません。

恐らく無料でデータ納品までしてくれるデザイン会社はなかなか存在しないかと思います。

もし仮にデータ納品まで無料で行ってくれる制作会社があるとしたら、恐らく初回の制作費自体が通常よりも割高(データ納品分も予め料金に乗せている)か、会社の売り上げが切実で1円でも多く目先の売り上げを稼がなければと思っているかのいずれかでしょう。

前者の場合は元々が予算を削減するためにデータ納品を求めたのにも拘らず割高な金額となってしまい本末転倒、後者は自分達の集客すらもまともに出来ていなデザイン制作会社に、自社の大事な会社案内やパンフレットというマーケティングツールの制作を任せるというのは非常に危険ですね。

やはりデザイン制作会社からすると、デザインのマスターデータは会社の財産に値するものなので、無料でご提供するというのはなかなか考え辛い事でもあります。

例えるなら飲食店で食事をしたら、料理と一緒にレシピまで提供してしまうようなものですね。

データ納品に対する弊社の考え方

提案イメージ

弊社ではご利用規約にもある通り、マスターデータのご納品は基本的に行っておりません。
その理由をご説明します。

まず弊社は同業他社に比べて初回の制作費用はかなり安価に設定しています。

これは新規で制作をご検討されている方へのハードルを下げるためです。

会社案内やパンフレットといった会社の顔になるようなものを、高額な予算を掛けていきなり作るには非常にハードルが高いものかと思います。

そこで弊社は「まずは作ってみる」というところでのご提案をさせていただきたいと考えており、そのために初回のコストを抑えてご提供しております。

そしてその制作した会社案内やパンフレットを配り、運用していく中での気付きや反省点を活かし、次回のご増刷時に修正をお入れになられて完璧なものに仕上げていく。
そういったリアルな営業の現場レベルでのトライ&エラーを繰り返していただき、実際にちゃんと反響の上がる価値ある販促物へと仕上げていきたいと考えております。

ですので、初回の制作で利益を取ろうというよりも、ご増刷をいただく長いお付き合いの中で利益を上げていこうという考え方です。

デザイン制作会社の役割はデザインという可視化されたビジュアルを通じてクライアントの魅力を引き出し、販促のお手伝いを行う仕事です。
そのため「最初にデザインして利益を出して終わり」というのでは、デザイン制作会社として少々無責任ではないかと考えているので、そのような料金設定にしております。

この基本的なスタンスは、データをご納品してしまうと関係が途切れてしまうため、出来なくなってしまうんですね。

そのため、弊社では基本的にマスターデータのご納品は行っておりません。

会社案内やパンフレットのデータは誰のものか?

デザインイメージ

根本的な話として、会社案内やパンフレットのデザインデータ(マスターデータ)は誰の所有物かというのがあります。

端的に言ってしまえば所有権(著作権)は、基本的にはデザインを行ったデザイン制作会社のものとなります。

いくらコンテンツがクライアントのものであっても、仮に自社の株式会社○○の会社案内であっても同様です

発注の段階で、双方で何かマスターデータに関する取り決めや契約があればもちろん別ですが、通常の場合は基本的にはデザイン制作会社に著作権が帰属します。
過去の様々な判例の中でもやはりこういった結論が出ています。

これはなぜかというと、まず発注されたものはあくまで会社案内やパンフレットの制作です。

この「会社案内やパンフレット」というのは成果物の事を指し、それは印刷・製本された現物を指します。

お客様への商品はあくまで「会社案内」または「パンフレット」なんですね。
デザインに関しては制作過程で生れる素材であって、あくまで商品ではありません。

ちなみに制作された会社案内やパンフレットをデザイン制作会社に無断で勝手にコピーや複製(増刷)などを行うのは、著作権侵害の違法行為となるのでご注意ください。

マスターデータは本当に必要なのか?

以上を踏まえ、わざわざ高い料金を支払ってまでマスターデータを買取して手元に置く必要性っていかがなものでしょうか?

結局、自社で運用もうまくできないのであれば宝の持ち腐れですね。

それでしたら、管理も含めてプロに任せて、必要な時にだけ修正や増刷依頼を頼むほうがずっと効率的ですし、時間コストはもちろん、実際の金銭的コストも安く済むかもしれませんね。

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