企業の売上を担う直接的なポジションでもある「営業職」は企業にとって売り上げを大きく左右する非常に重要なポジションかと思います。
様々な会社にお話をお伺いすると、やはり営業に関しては各社とも力を入れると共に、常に頭を悩ませるポジションでもあります。
もしも中小企業であれば、有能な一人の人材だけで売り上げが劇的に変わることもあります。
それでは経営者の方は自社の営業チームに現状で満足されていますでしょうか?
欲を言えばキリがないので、きっと「満足していない」と答える経営者が殆どかと思います。
目次
この職種には、稀にスーパー営業マンが存在します。
個人で大きな売り上げを記録し、会社に大きな利益をもたらします。
そんなスーパー営業マンは御社にいらっしゃいますか?
営業という職種は、もちろん経験値やスキルも必要ですが、時間を掛けて育てた分だけ交渉力や能力が必ずしも伸びるというわけではありません。
誤解を恐れず言えば、ある種の「才能」のようなもので能力が左右されることもあります。
営業はコミュニケーション能力を駆使した折衝の仕事です。「能力」とある以上、各人それぞれに才能があります。
それでは企業としては、そんな才能あるスーパー営業マンの出現を待てばいいのか?
そんな悠長なことは言っていられませんね。
それにそんな有能な人材は会社に大きな利益をもたらしてくれる反面、 どこの企業からも引手数多な存在です。
もしかしたら競合他社が引き抜き工作を企てているかもしれません。
潤沢な人件費を用意していれば話は別ですが、そう簡単にひとつの場所に留まってくれる存在ではありません。
それにスーパー営業マンが強い「営業チーム」を築き上げられるかというと、残念ながら必ずしもそうではありません。
スポーツの世界においても、スーパープレイヤーが有能な監督になるとは限りませんよね。
それではスーパー営業マンに頼らず、強力な売り上げを出せる強力な営業チームをどのように構築していけばよいのでしょうか。
COMPANY PROFILE PRODUCTION
そもそも「営業力」とは具体的にどういった「力」のことなのでしょうか?
営業の技術論やノウハウを語る書籍は山のようにありますね。
これだけの多くの書籍があるにもかかわらず、なぜ殆どの企業は常に営業力の強化に頭を悩ませているのでしょうか?
営業を「技術」と唱えるのは、あくまで個人レベルの話しです。
個でなくチームとして考えたとき、営業は能力やスキルではなく「確率論」で考えるべきです。
例えばお客様へ10回アタックして、何件が受注に繋がるかということです。
先にお話ししたスーパー営業マンはこの確率が高い人。 逆に、数字の取れない営業マンは確率の低い人です。
稀に「成約数」という数字だけで営業マンを評価している企業がありますが、実際フタを開けてみると折衝の数が多いだけで、実際の受注率は非常に低かったりということもあります。
ということはその分ロスをしているので、 評価としては疑問が残りますね(下手な鉄砲も数打ちゃ当たるです)。
上記のことからも分かる通り、営業の数字を上げたければ、単純にアタック数をこなせば数字は上がっていきます。
例えば、10件中3件受注できる力がある方が、9件の数字を目標にしているのであれば、30回アタックすればいいだけの話です(受注率は約3割という計算)。
勿論そんな単純な話ではないのも承知の上ですが、机上の数字としてはそういう事です。
「なら営業マンにガムシャラにアタックさせればイイだけの話しだ!」と言われそうですが、それも違います。
なぜならそんな事をしても非常に非効率な上、営業担当も疲弊してモチベーションの低下へと繋がるだけです。
「営業力を上げる」とは、上記で述べた受注率を上げていくことです。
例えば、10件中3件の成約に繋がるところ、10件中4件や5件の成約に繋げていくという事です。
営業手法として、個人レベルの小手先の技術や能力はもちろんありますが、結局のところ本人のキャラクターや人間性やビジュアルなど、様々な要素が関係していきます。
ですので、書籍などにある営業の技術論だけでは簡単に営業力が上がっていくとは思いません。
これを理解するかしないかで、営業チームの体制や成長が大きく変わっていくことでしょう。
例えば記事の冒頭でお話ししたスーパー営業マンのAさん(仮)であれば、受注率が5割(50%)だったと仮定します。
その逆で、営業成績が上がらないBさん(仮)の受注率は1割(10%)だったと仮定します。
能力の差は歴然です。
営業チームがこの2人だけだとしたら、Aさんに頼る比重が大きいですね。
Aさんが活躍しているうちは会社は安泰ですが、Aさんが突然この営業チームから外れてしまったら大変です。
このスーパー営業マンであったAさんが、突然の不慮の事故や、他社に引き抜かれたりなど、決してあり得ない話ではありません。
そんなことになったら、これまでAさんの上げる売り上げを頼りにしていた会社は大変です。
今回の例で分かることは 「個」の力に頼る営業体制は、企業にとって非常に危険で不安定だということです。
ではBさんだけで会社が回るかといったら、そうゆうわけにもいきませんね。
そこでこれまでの企業は、BさんをAさんのような有能な営業マンに育てようとしてきました。
ですがきっちりと数字をあげられる営業マンという人材はそんな簡単には育たないでしょう。
ではBさんを外して、他の人材を探すのか?
それも会社にとっては非常にリスクの高い選択です。
実際のところは、入社していざ働いてみないとその人材の本当の能力は計れませんし、その度に人材採用なんてしていたら、とてもじゃないですが会社が持ちませんね。
では安定した収益を上げる営業チームをどのように構築していけばよいのでしょうか?
では実際の営業活動を確率論として考えた場合の参考例です。
先ほどのAさんBさんの例を参考にすると
この場合チームとしては「受注率30%」です。
標準的な営業力をみせるCさんとDさんのチームでも、チームとしての受注件数も受注率も同一です。
売上の比重を誰か「個」に委ねてしまうから企業にとってリスクがあるのです。
標準的でバランスの取れた能力を持つ人材を揃えられれば、仮に片方の人材がいなくなっても、新たに標準的な能力を持つ人材を見つければ済むということです。
結論としては、「営業」というポジションを属人生に頼っているようでは、企業の業績は安定していかないということです。
もちろんスーパー営業マンの存在を否定しているわけではなく、平均的なアベレージを上げられる人材なので、むしろ重宝すべき人材です。
ですがその「個」だけの力に頼っていてはいけないということです。
平均的な営業力のあるチームを社内に構築できれば、企業のリスクヘッジとなり、数字も安定していきます。
「営業スキルの標準化」が安定する数字が稼げる営業チームの必須条件です。
誰でも即戦力になってしまうくらいの標準化されたノウハウさえあれば、人材のリスクも軽減でき、売上も安定していきます。
では営業スキルの標準化はどのように行っていくのでしょうか。
まず営業の標準化の絶対条件は
「誰が営業を行っても同様の条件・内容で提案を行える」ということです。
これは俗にいう「守・破・離」の「守」にあたる部分です。
恐らくそれぞれの会社に営業マニュアルというものが存在します。
でも営業マニュアルだけではなかなか人材が育たないのも事実です。
なぜならその営業マニュアルの大半は「営業のできる人材」が作成したものだからです。
それに実際の商談の現場は千差万別で、同じシチュエーションがなかなか存在しません。
それではどうするべきか?
営業の現場を型にはめてしまい、毎回同じシチュエーションを作り出せばいいのです。
そこで必要となるのが販促ツール、いわゆる営業用の会社案内パンフレットです。
普段、営業で行う提案や折衝でのフローのプロセスを、会社案内パンフレットに則って行えばいいのです。
具体的には、紙面に記載されている各文章や項目をアンカーにし、説明とプレゼンに注力した営業を行います。
ここで交渉という駆け引きはいたしません。
想定される質問にだけ事前に対策を行えばよいわけです。
人材が育たない要因に、交渉をさせようとするから無理があるわけで、「会社案内パンフレットを使用したプレゼン」を完全にパッケージ化してしまえば営業というフローが標準化されていきます。
この営業フローの標準化によるデメリットは、提案型やコンサル型の営業がやりづらいという側面もあります。
ですがそういった営業スタイルはコミュニケーションスキルが必須なため、どちらにしろ標準的な営業スキルの方では難しいでしょう。
この標準化された「守」の営業フローから一歩抜き出た存在が、営業チームの統括や、コンサル型の営業へとスキルアップすればよいのです。
このような営業フローを構築したスタイルが確立されているのが生命保険の業界です。
女性の中途採用の外交員が多いこともあり、パンフレットを使用した営業の標準化が徹底されていますね。
なお、営業の標準化さえできれば営業チームの量産も可能になります。
各支店で強力な営業チームを持ち、人海戦術での営業活動も可能となることでしょう。
以上、パンフレットを使用した営業チームの構築についていかがでしたでしょうか?
強力で安定感のある営業チームの構築において、営業用パンフレットは非常に重要なツールです。
以前の記事「会社案内制作の担当は誰が適任か」でも、会社案内の制作は営業マンが担当すると良いものができるというお話をさせていただきました。
やはり会社案内やパンフレットは重要な販促ツールです。
会社案内の制作は販売促進と営業の延長線上で考えていきたいですね。